出版時間:2008-10-27 出版社:松籟社 作者:ガブリエーレ ダヌンツィオ,Gabriele D'Annunzio 譯者:脇 功
內(nèi)容概要
前作『快楽』につづき、世紀(jì)末転換期のイタリアが舞臺になっています。ただ、『快楽』がローマ貴族社會の華やかな風(fēng)俗を詳細に描いていたのに対し、『罪なき者』ではそのような風(fēng)俗描寫は控えめに扱われています。
主人公トゥッリオは、浮気三昧のくらしをながらく送ってきた男です。二人の娘と、その貞潔さをだれもが讃えるジュリアーナという妻がいながら、彼女らを顧みず放恣な生活を続けてきた彼は、手痛い失戀を契機に(なんとも身勝手な話ですが)、妻のもとへ帰ります。二人で「新たな生活」をはじめようとした矢先、彼はジュリアーナが、(自分が情事を重ねているさなかに)自分とは別の男と関係を結(jié)び、その男の子供を宿したことを知るのです?;诤蕖⒖鄲?、絶望を経て、トゥッリオは、やがて生まれてくるその赤子を殺すことを決心するのですが……
この小説は一人稱小説で、語り手である主人公トゥッリオは、赤子殺しというクライマックスに至る自らの心理の動きを、精密に言葉であらわしていきます。彼の過剰な自己分析は、しかし、彼になんらの慰めも與えませんし、未來への展望を開くための材料がそこから見出されるわけでもありません。絶望へと転がり落ちていく自らを精密に分析するだけの主人公──作家は、いかなるもくろみをもって、そのような人物を描いたのでしょうか。
なお、この小説を原作に、映畫監(jiān)督ルキノ?ヴィスコンティが「イノセント」を撮っています。映畫をご覧になった方はぜひ、本書をご一読いただければと思います。
『快楽』『罪なき者』につづくダヌンツィオ「薔薇小説」第3作は『死の勝利』です。脇功さんの新訳で、2009年冬に刊行予定です。ご期待下さい。
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