出版時間:2012-5-19 出版社:ベストセラーズ 作者:村上龍
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內(nèi)容概要
東日本大震災のあと「絆」という言葉が氾濫し、今もその傾向は続いている。 絆の語源は、犬や馬を繋ぎ止める「手綱」らしい。離れないようにつなぎ止めて おくということから、分かちがたい家族や友人の結びつきを意味するようになっ た。3?11とそのあとの原発事故は、わたしたちに精神的なダメージを與えた。 誰もが、被災地以外の人たちも、原罪意識のようなものを抱くようになった。あ まりに被害が大きかったので、日本人全體が何か悪いことをしてきて罰を與えら れたかのように感じたのだ。 その原罪意識は、人間だったらごく自然に抱くもので、決して間違っていない。 多くのボランティアが被災地で活動したが、「何か支援したい」という思いには、 その原罪意識も関係していたのだと思う。そして、被災地、被災者のことを忘れ ないようにしよう、彼らのために何かできることがあるはずだという思いが「絆」 いう言葉に集約されたのだろう。 だが、わたしは「絆」という言葉の流通と氾濫に違和感を覚える。それは、被 災地、被災者を思う気持ちだけでは解決できない問題が山積みしていて「絆」と いう美しい言葉が、そのことを隠蔽する危険性があるからだ。気持ちだけでは解 決できない問題は數(shù)多くあるが、もっとも大きく、かつ象徴的なのは「瓦礫」だ ろう。東日本大震災による瓦礫は、単なる殘骸や廃棄物ではない。津波によって 破壊され押し流された「生命と生活の象徴」でもある。約3500萬トンという 巨大な量の瓦礫の県外処理が問題になっている。瓦礫を受け入れると表明した自 治體は徐々に増えているようだが、いまだ反対する住民も多い。
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